人材派遣業の7つの事業許可要件と要件の満たし方

一般派遣の事業許可要件7つと要件の満たし方
法改正より、労働者派遣事業は一本化・統一されます。
これにより、以前は一般労働者派遣事業であったルールの多くが適用され、すべての派遣事業は許可制となります。
では、それら許可条件を満たすにはいったいどうしたらよいのか?
今回はそれらを解説していきましょう!
知っておこう!一般派遣事業許可要件7つ
労働者派遣事業を行うに当たっては、以下の条件が必要となってきます。
- 刑事罰などの法に触れていない事
- 特定の企業に対してのみ派遣事業を行う目的ではない事
- 派遣事業を適正に遂行できる能力がある事
- 個人情報の管理を徹底している事
- 適切な雇用管理がなされている事
- 社会保険・労働保険に加入している事
- 資産要件を満たしている事
これら条件を満たす必要があります。
では、それらを具体的に説明していきましょう。
- 刑事罰などの法に触れていない事
事業主等が禁固以上の刑法、もしくは労働法に違反して罰金刑を課せられ、その後5年を経過していない場合は許可が下りません。
また、条件に”事業主等”…”等”とあることから、重要なポストにある役員の存在も関係してくるのではないかと思いますので、注意しましょう。
2. 特定の企業に対してのみ派遣事業を行う目的ではない事
特定派遣は廃止されますので、特定の企業のみに対して行う派遣事業はできなくなります。
3. 派遣事業を適正に遂行できる能力がある事
労働者派遣事業は厚生労働省への届出ではなく許可が必要である事。
このことから、事業の適正さのチェックは厳しくなります。
その為、それらを証明するための手段として、派遣元責任者講習を受講し、責任能力や事業適正能力を示す必要があります。
4. 個人情報の管理を徹底している事
昨今は情報漏洩で度々ニュースなどで取りざたされることが多くあります。
派遣事業は派遣社員や派遣先の情報などを多く管理することになるため、この情報管理は徹底しなければなりません。
5. 適切な雇用管理がなされている事
雇用管理は昨今最も重要な事項です。
社員の時間管理や賃金に対する不正など、違法労働がないように徹底する必要があります。
また、二重派遣などの違法行為に対する知識も必要となります。
6. 社会保険・労働保険に加入している事
社員の安定化は社会全体の課題でもあります。
その為、派遣事業といえど保険にはしっかり加入しておきましょう。
7. 資産要件を満たしている事
※別途解説。
また、事業の認可にあたっては、
- 派遣労働者は常時雇用労働者である必要がない。
- 法定費用がかかる。(1か所につき21万円)
- 派遣元責任者講習は受講済みが許可要件。また、派遣元責任者の職務代行者が必要。
- 事務所の面積は20㎡以上の広さが必要。
- キャリアアップにおける教育訓練の体制。派遣労働者の教育訓練の実施義務化。
- 厚生労働大臣の許可が必要
などの条件もあるため、これらも確認しておくようにしましょう。
クリアが難しい?資産要件
- 資産が「2000万円×派遣事業を手掛ける事業所数」以上である事。
- 現金預金の額が「1500万円×派遣事業を手掛ける事業所数」以上である事。
- 現金預金の額が1500万円以上あり、尚且つ「負債総額の7分の1以上」である事。
※但し例外として、1事業所かつ常時派遣する派遣労働者数が10人以下の場合では、特例措置が設けられます。
更なる詳細はコチラの記事をチェック!
資産要件を満たしていない場合の3つの対処法
-
- 借入をする
もし資産が足りない場合、借りることで補うという手段もあります。
但し、負債総額の条件を満たせるように調整はしておきましょう。
-
- 増資する
負債を抱えるデメリットを避け、資本金を増やすのも手です。
例えば別の事業で利益を上げたり、株による資産アップを目指すなどです。
-
- 生命保険を解約する
保険費用は何かとかさむ費用となります。
これをいったん解約することで、元手を増やすという手もあります。
気を付けよう!資産要件を満たす際の注意点
一方で、その場の判断や短期目標だけの為に上記の手段を使うのは得策ではありません。
その為、やはり専門家などを交えて相談するのが良いと思われます。
公認会計士や監査法人の照明も必要なため、一般特定切り替えの前に早めに検討してみるとよいでしょう。
要件を満たして一般派遣の事業許可を得よう
一般労働者派遣事業の条件は、特定労働者派遣事業よりも複雑であり、手間も時間もかかります。
事業申請を行う場合には、専門家の力も借りたうえで、慎重に検討するとよいでしょう。