派遣法改正に対応する教育訓練!導入方法や実施方法、おすすめツールは?

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この記事は、「派遣労働者の教育訓練とは何か知りたい」「導入方法や実施方法について知りたい」という方に向けて書かれています。

教育訓練はなぜ必要なのかや、教育訓練をどのように進めればいいのか気になる人材派遣業界の担当者の方も多いでしょう。

そこで当記事では、派遣法改正で義務化された教育訓練とは何かや、導入方法・実施方法について解説していきます。

記事の最後には、教育訓練におすすめのツールも紹介しています。ぜひ最後までご覧ください。

派遣法とは

そもそも派遣法とは、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」のことを指します。

派遣労働者は正社員に比べると契約期間や賃金などが定められているため、不安定な雇用状況になりやすい傾向にあります。

そこで、派遣労働者が弱い立場につけ込まれるのを防ぎ、派遣社員の権利を守るために施行された法律が派遣法なのです。

また、2015年9月30日に施行された派遣法により、派遣労働者の「キャリア形成支援制度」が定められ、教育訓練が必要になりました。

近年では、2020年と2021年にも改正派遣法が施行されています。

引用元:厚生労働省 派遣労働者の割合

派遣法改正で義務化!教育訓練やキャリア形成支援制度とは?

キャリア形成支援制度とは、派遣事業主が雇用するすべての派遣労働者の希望に応じて、派遣就業を続けながら、教育訓練や専門性の向上・職務の幅の拡大等を行うことを義務付けた制度です。

また、正社員化や直接雇用化を図る等により、計画的なキャリアアップ支援を義務化することで、派遣労働者の待遇の向上・改善を目指しています。 教育訓練の要件は5つあり、下記のとおりです。

  1. 雇用するすべての派遣労働者を対象としていること
  2. 有給かつ無償で実施すること
  3. 派遣労働者の「キャリアアップに資する」内容であること
  4. 派遣労働者として雇用する際に実施する教育訓練が含まれていること
  5. 教育訓練は長期的なキャリア形成を計れる内容であること
「キャリアアップに資する」内容の例として、下記のようなことが挙げられます。
  • 賃金などの処遇があがること
  • 派遣労働者から正社員として雇用されること
  • 職務の遂行にあたっての技術的レベルをあげること
※派遣事業主が、どのような目標や目的(目指す派遣労働者)を持っているかで、キャリアアップに対する考え方も異なります。

また、キャリアコンサルティングの相談窓口(派遣労働者の職業生活における設計や相談・支援などをする窓口)を設置することも定められています。

そして、派遣労働者がキャリア形成を念頭に置いた派遣先の提供のための事務手続きやマニュアルなどが整備されており、一定の期間ごとに一定の教育訓練が用意されていることも要件として定められています。


引用元:厚生労働省・都道府県労働局

教育訓練の導入方法は

派遣法改正に伴う教育訓練の導入方法は以下の流れで進めていきましょう。

  1. 現状の把握・分析をする
  2. 目的・目標を明確にする
  3. 教育訓練計画を策定する

1つずつ順番に解説していきます。

1:現状の把握・分析をする

まず始めに、現在雇用している派遣労働者の課題や問題点・抱えている志向・派遣先などを確実に把握し、それらが達成できていない原因を分析・整理します。

2:目的・目標を明確にする

達成できない原因が分析・整理できたら、「求められる人材像」や「何を身につけたらよいのか」などの目的や目標を明確にします。

職種や勤続年数などの要素において、目的や目標を細かに考えていき、段階的で体系的な教育訓練計画を立てるようにしましょう。

3:教育訓練計画を策定する

「目的・目標を達成するために、どのような教育訓練を行えばいいか」を念頭に置き、訓練の内容や順序・時間・評価基準・フィードバック方法などを定め、教育訓練を策定しましょう。

ちなみに、教育訓練の内容は大きく2つあり、以下の表のようになります。

階層別訓練 職種を問わず、勤続年数などの階層によって派遣労働者を区分し、各階層で職種に関わりなく求められる知識や技術を向上させるための横割りの訓練。同じ役職・勤続年数の者、資格等級者などを対象に行われます。
職能別訓練 部門の職種によって派遣労働者を区分し、対象の部門で職務を遂行するために求められる能力(スキル)習得のために教育を行う縦割りの訓練。

教育訓練の実施方法やポイントは?

教育訓練には代表的なものとして、以下の3つが挙げられます。
  1. 集合研修
  2. OJT
  3. e ラーニング
それぞれにメリット・デメリットがあるため、目的や目標によって教育訓練を実施するようにしましょう。

ちなみに、教育訓練は1つだけの実施でもいいですし、組み合わせて実施してもいいです。 それでは、1つずつ順番に解説していきます。

1:集合研修

集合研修とは、学校のように受講者を一箇所に集めて、講師から講義などを受ける教育訓練方法です。 複数の研修会場を「ZOOM」などで中継して行うこともできます。

【メリット】

    1回でまとめて多くの受講者を教育できる 内部で完結する内容であれば低コストで済む 対面教育であるため個々の疑問がその場で解決しやすい 受講者のモチベーションアップが期待できる 講師が受講者の学習状況を把握しやすい 実践的な訓練も導入しやすい
【デメリット】
    会場や講師の手配にコストがかかる 1度に実施できる時間が限られる 受講者個々に適した教育を提供しづらい 全員を参加させるための日程や場所の調整が難しい 外部に依頼する場合、コストが高くなる 欠席者に対しての配慮を考える必要がある
1回でまとめて多くの受講者を教育できる点は大きなメリットですが、一方で会場を抑えたり、講師の手配や機材などの準備にコストがかかります。

また、体調不良や急な都合により、欠席を余儀なくされた欠席者をどのようにフォローするのか考える必要があるでしょう。

フォローする手段としては、次の研修への参加や、後述する「e ラーニング」などが挙げられます。

2:OJT

OJTとは、「On the Job Training(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)」の略で、仕事をしていく中で能力(スキル)を身につけるための教育訓練方法です。

単に仕事をして能力を身につけるのではなく、あらかじめスキルアップのための教育訓練計画を立案しておき、その計画に沿ってスキルアップを目的に職務を遂行していきます。 【メリット】

  • 実務における実践的な教育ができる
  • 派遣先でのキャリアアップに直結した教育となる
  • 派遣先の協力があれば低コストで済む
【デメリット】
  • 派遣先への依頼・調整などの協力を得るのが大変
  • 派遣先の主導となるため、計画的な実施や管理が難しい
  • 派遣先から費用を要求されると高コストになる
OJTは派遣先の協力が不可欠ですが、実際に協力を得てOJTを実施できているところは、社員のスキルが飛躍的に向上したり、派遣先の社員とのコミュニケーションも円滑になったりしています。

3:e ラーニング

e ラーニングとは、「Electronic Learning(エレクトロニック・ラーニング)」の略で、インターネットに接続されたパソコンやスマホを介して、学習コンテンツ(講義動画や理解度を測定するためのテストなど)を提供する教育訓練方法です。

e ラーニングには、学習管理システムがあるため、個々の受講状況を追跡できたり、受講時間やテストの点数などがすべて記録されます。

そのため、進捗管理やデータ集計が簡単にできるようになっています。

【メリット】

  • インターネットにつながる環境であれば、時間や場所を気にせずに受講できる
  • 個々のキャリアパスに対応した講座が用意されている
  • 一度体制を構築してしまえば低コストで済む
  • 学習の記録を残せるため、学習者の進捗状況などを管理しやすい
【デメリット】
  • 一人で受講するため、学習者に学習を促す仕組みが必要になる
  • ITシステムの扱いに不慣れな人にはサポートが必要になる
  • 初期投資(機器やシステムなどの準備)にコストがかかる
  • 一方通行の教育のため個々の疑問の解決がしづらい
e ラーニングは他2つの教育訓練方法と比べて、時間や場所を気にせずに講義できたり、学習の記録を残せるため、学習者の進捗状況を管理しやすいメリットがあります。

一方で、動画などを提供するだけの一方通行の教育のため学習者の疑問を解決しづらいというデメリットはあります。

教育訓練におすすめのツールは

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