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派遣教育訓練のeラーニング研修【派遣のミカタ】教育 派遣教育訓練のeラーニング研修【派遣のミカタ】派遣法 2022年07月28日

教育の必要性から見た、具体的な教育訓練の方法とは?

教育の必要性から見た、具体的な教育訓練の方法とは?

2015年9月の労働者派遣法の改正により、派遣労働者のキャリアアップを目的とした教育訓練を実施することが義務づけられ、その導入が進められていますが、教育訓練の種類は派遣労働者のキャリアパスを考慮して、業種や業務内容によって異なります。

 

また、2021年4月には、派遣労働者のキャリア形成についての説明義務化がされるなど、労働者派遣法の改正が繰り返し行われています。

 

今回は、「教育訓練をどのように進めていけばよいか」その具体的な方法について解説していきます。

教育訓練の背景、目的

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1.教育訓練を導入する背景

2015年の労働者派遣法改正に伴い、派遣労働者を派遣先企業へ派遣するにあたって必要な教育訓練の実施を行うことにより、キャリア形成を図ることが明確となりました。

 

その後、2021年の労働者派遣法の改正により、派遣労働者へのキャリア形成の計画について派遣労働者に説明をすることが義務化され、派遣労働者が望むキャリアパスをどのように進めていくべきかを、より明確に示すことが必要となりました。

2.教育訓練を導入する目的

2015年の労働者派遣法の改正が行われるまでは、派遣労働者の教育訓練について具体的な規定はありませんでした。そのため、派遣元事業所によって行われる教育訓練の内容に差があり、派遣労働者ごとに知識や技術の差が出ることは当たり前のように起こっていました。

 

そこで2015年と2021年に労働者派遣法が改正され、派遣労働者に対するキャリア形成をどのように支援するかについての明確な基準が設けられたのです。

 

これにより、派遣元事業所において、派遣労働者がどのようなキャリア形成を望み、どのようなキャリアパスを進むかという内容を策定するようになりました。そして、教育訓練を通して、派遣労働者が派遣先企業へ派遣される際に必要な知識や技術などを習得できるようにしたのです。

具体的な教育訓練の方法

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1.キャリア形成とキャリアパスを明確にする

派遣元事業所は、派遣労働者がキャリアアップをどのように進めていくことを希望しているかなどについてヒアリングを行います。その内容を考慮したうえで、今後のキャリアアップ計画を進めていきます。

2.キャリアアップに向けた教育訓練の導入までの5つのステップ

キャリアアップに向けた教育訓練を導入するまでには、大きく分けて5つの段階を経て行う必要があります。

 

(1)キャリアアップに向けた段階的な教育訓練の枠組み作り

 

キャリアアップを行うにあたって、キャリアパスに応じた教育の手段やスケジュールなど、計画の枠組みを設定する必要があります。

 

しかし計画の作成、教材の準備や提供までにかかる時間や費用は個々に大きく異なります。

 

そのため、あらかじめ標準的なキャリアパスを設定し、そのキャリアパスを基準として、個々の派遣労働者の希望に応じた教育計画や教材の準備などに対応した仕組みを用意します。

 

(2)標準となるキャリアパスの構築

 

キャリアの道筋ともいえるキャリアパスは個々で全く異なりますが、キャリア形成を考えるうえで、まずは、標準的なキャリアパスを構築することが必要です。

 

標準的なキャリアパスを構築することで、このキャリアパスを基準として、様々な業務や役割などを通してスキルを習得し、多角的なキャリア形成につなげていくことができます。

 

(3)個々のキャリアパス構築に向けたキャリアコンサルティングなどの実施

 

個々のキャリアパスのために必要なキャリア形成をどのように進めていくかについては、キャリアコンサルタントなどの専門家による面談などを行って考えていく必要があります。

 

個々の派遣労働者がどのような教育に対して興味を持ち、どのようなスキルを習得し、どのように将来的なキャリアを形成したいかなどを明確にすることが求められます。

 

(4)教育訓練の方法を決定する

 

教育訓練の方法としては、eラーニング、集合研修、OJTなどがあります。

 

派遣労働者が希望するキャリア形成のために、どのような教育訓練の方法を活用することが効果的なのかについて、それぞれの教育訓練の特徴を考慮したうえで決定します。

 

(5)具体的な実施方法を決定する

 

(2)で決定した標準的なキャリアパスをベースに、派遣労働者の希望するキャリア形成に必要な教育訓練について、実施するスケジュールや時期などを決めます。

 

入職時期によって教育訓練の内容や実施方法なども異なるため、年間の教育訓練スケジュールを立てる際には、入職時期に応じた開始時期やスケジュール、内容などを、しっかりと派遣労働者と相談したうえで実施方法を決定します。

集合研修のメリット・デメリットと具体的な方法

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集合研修とは、受講生を1か所に集めて、講師から講義などを受ける教育訓練の方法です。形式としては対面形式で行うものが一般的でしたが、最近では、ズームなどを活用したオンライン形式で複数の会場で同時に行うのが主流となっています。

1.集合研修のメリット

・1回でまとめて実施できる

・内部でできる内容でが安く済む

・対面教育で疑問が解決できる

2.集合研修のデメリット

・全員を参加させるための日程や場所の調整が難しい

・外部に依頼するが高くなる

・様々なキャリアパスに応じて研修を用意することが難しい

・全員の理解度を把握することが困難である

3.具体的な方法

集合研修の具体的な流れとしては以下の手順で行われます。

 

(1)研修会場・機材の準備

 集合研修をは会場を分けて行う必要がありますので、複数会場で実施する際は、ネットワーク環境の準備も欠かせません。

 

(2)カリキュラムとテキストの準備

研修で行う内容や段取りを明確にしたうえで、使用するテキストの選定を行います。

 

(3)講師の手配 

会社内の人で講師を任せることができる内容であれば、社員の教育担当者などを講師として専門性が、社内の人では対応が難しい内容の場合は外部講師の依頼も必要となります。

 

(4)受講者管理の仕組み・欠席時のフォロー体制の準備

 対象者の出席管理簿を作成し、出席状況を管理するとともに、欠席時のフォロー(講義内容の収録したものを見てもらうなど)をどのように行うかを決めます。

OJTのメリット・デメリットと具体的な方法

EKAKI / PIXTA(ピクスタ)

 

OJTとは、On-the-Job Training(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の略で、仕事を行う中で、スキルを高めるための実務的教育訓練です。

 

仕事を経験するだけでもスキルは高まりますが、OJTでは、あらかじめスキルアップのための教育訓練計画を立案し、その計画に沿って実務的教育を行います。

OJTのメリット

・実務における実践的な教育ができる

・派遣先でのキャリアアップに直結した教育となる

・顧客の協力があれば、低コストで済む

 

OJTのデメリット

・顧客への依頼・調整がしにくい

・顧客主導となるため、計画的実施が難しい

・顧客より費用負担要求があると高コストとなる

 

OJTのデメリット

・顧客への依頼・調整がしにくい

・顧客主導となるため、計画的実施が難しい

・顧客より費用負担要求があると高コストとなる

など

 

具体的な方法

(1) 派遣先への実施依頼

まず、派遣先に対して、派遣労働者へのOJTを依頼します。

 

依頼をする際には、「派遣労働者のキャリアアップのための教育訓練であること」「あらかじめ教育訓練計画を立案し、その計画に沿って行うこと」「実際の教育訓練の時間の記録をすること」などについても配慮したうえで、依頼します。

 

(2) キャリアアップに資する教育訓練の準備

標準的なキャリアパスではカバーできない部分が多いため、個々の派遣社員ごとにキャリアパスを策定し、そのキャリアパスに沿った訓練内容を立案します。

 

(3) OJT実施の日程と費用負担調整

OJTの実施日程について、派遣先と調整します。なお、OJTでは、派遣先に教育担当者を準備していただく必要があるため、教育担当者に係る費用面の負担をどのように行うかについても調整します。

 

(4) 受講者記録管理の仕組みの準備

派遣労働者のキャリア教育は、有給で行わなければなりません。そのため、OJTによる実施時間の記録を管理するための名簿や記録簿を用意します。

e-ラーニングのメリット・デメリットと具体的な方法

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e-ラーニングとは、インターネットなどに接続されたパソコンやスマホを通じて、一人ひとりが個別に動画などの講義と理解度を測定するテストなどを受ける教育方法です。

e-ラーニングのメリット

・いつでもどこでも受講できる

・多様なキャリアパスに対応できる

・低コストで行うことが可能

・受講日時、テストの結果などの定量的受講記録が残る

など

e-ラーニングのデメリット

・個人での受講となるため、受講率を高い状態で持続することが困難

・情報機器に不慣れな方へのサポートが必要

・疑問点が出た場合における質問対応ができない

など

 

具体的な方法

(1) 学習管理システム(LMS)の準備

eラーニングで教育するためには、受講者一人ひとりを管理し、学習管理システム(LMS)を用意しなければなりません。

 

(2) カリキュラムと講座の準備

標準的なキャリアパスに沿った研修カリキュラムと講座(教材)を準備します。

 

(3) 受講機器の準備

eラーニングの受講にはインターネットに接続できるPCやタブレットといった情報端末が必要となります。

 

基本的に、受講生自身のものを使用することが多いですが、

 

(4) 受講時間の集計と給与システムとの連携

受講者管理は、受講管理システム(LMS)が行ってくれますが、社員一人ひとりの受講時間を集計して、給与システムへデータを入力する仕組みが必要です。

 

また、給与については、給与締日までの受講時間を集計して、給与支払い日までにシステムに入力ができるようにシステム連携を図ることも大切です。

まとめ

派遣労働者の教育訓練は、キャリア形成を行う上で重要なものであるとともに、キャリアパスをどのように進めていくかを考える上でも重要な要素といえます。

 

教育訓練の種類についても、以前は集合研修やOJTなどが多く採用されていましたが、現在ではオンライン化が進んでおり、研修の形態の多様化が進んでいます。

 

また、オンライン化が進んだことで今まで以上に様々なキャリアパスに対応した教育訓練を派遣労働者に受講させることができるようになりました。キャリアパスの多様性に順応できるような仕組みが、標準化されてきたとも言えるでしょう。

 

その反面、受講スタイルが一方通行になりがちな部分もあるため、教育訓練の実施を進めるだけでなく、教育訓練の受講状況を適切に管理し、必要に応じてフォローを行う体制をキャリアアップ計画の立案の際に考慮することも大切です。

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この記事の著者

岡崎 壮史

社会保険労務士・1級FP技能士・CFP認定者 大学卒業後、外資系生命保険会社の営業、資格の専門学校の簿記・FPの講師、不動産会社の経営企画を経て現在に至る。 現在は、助成金活用コンサルを中心に、助成金の申請代行、活用相談や働き方に関連するセミナーなどを通じて働き方改革の推進のサポートを行っている。

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