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教育 派遣元責任者 2024年02月26日

派遣の抵触日とは|押さえておくべきルールや注意点について解説

派遣の抵触日とは|押さえておくべきルールや注意点について解説

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派遣事業を営む際には、派遣の抵触日について十分に理解をしていなければなりません。当記事では、派遣の抵触日についての概要や、抵触日を迎えた際の対応方法を解説します。派遣の抵触日について知りたい人は参考にしてください。

派遣の抵触日とは

労働者派遣法では、同じ事業所で3年を超えて働くことが禁止されています。このルールを3年ルールと呼びます。抵触日とは、派遣労働者が働くことができる3年間の上限期間が終了した次の日のことです。たとえば、派遣労働者が2023年8月1日に勤務開始した場合には、2026年7月31日が派遣期間の制限日となります。この場合、抵触日は2026年8月1日です。

抵触日が定められている理由

ここでは、抵触日が定められている理由について解説します。

常用代替を防止するため

抵触日が定められている理由は、常用代替を防止するためです。派遣という働き方は、臨時的・一時的が原則であるとされています。つまり、派遣労働者はスポットで働く存在であり、常に雇用を続ける状態は上記の考え方からは外れているといえるでしょう。企業には、従業員を雇用せずに派遣労働者に置き換えることを避ける取り組みが求められます。健全な組織運営のためにも、正社員を中心とした組織づくりが重要です。

派遣労働者の雇用を安定させるため

派遣労働者の雇用を安定させることも、抵触日が定められている理由の1つです。派遣労働者のなかには、社会的・経済的な不安を抱えている人もいます。派遣として働き続けることで、労働者自身が抱えている課題を解決できない場合もあるでしょう。3年ルールを設けることは、派遣労働者の雇用安定とキャリアアップに向けた取り組みの加速につながります。

原則的に同じ職場で3年までしか働けない状況であれば、自らの生き方やキャリアについて考える機会も自然に増えるでしょう。

抵触日の種類

ここでは、抵触日の種類について解説します。

事業所単位の派遣期間制限

抵触日の種類の1つは、事業所単位での派遣期間制限です。事業所単位での派遣期間制限では、同じ派遣先企業に対して派遣できる期間は、3年が限度とされています。ただし、派遣会社から派遣労働者を継続して派遣してもらいたい場合は、延長もできます。延長をする場合には、抵触日の1か月前までに、派遣先事業所の過半数労働組合などに意見聴取をしなければなりません。

個人単位の派遣期間制限

抵触日のもう1種類は、個人単位の派遣期間制限です。個人単位の派遣期間制限では、派遣労働者が同一の組織で働ける期間は3年が限度とされています。事業所単位の期間制限と異なる点は、個人単位の期間制限には延長の概念がないことです。個人単位の派遣期間制限によって定められている「同一の組織」の定義は、下記のとおりです。

 

・業務としての類似性や関連性がある組織

・組織の長が業務配分や労務管理上の指揮監督権限を有するもの

 

組織の単位は、「課」や「部」などが想定されています。たとえば、人事課で3年働いた派遣労働者が、同社の営業課に異動して働くといったケースは認められています。ただし、小規模の会社で、社長が全ての労働者の管理を直接行っているといったケースでは、課が異なっても同一の組織とみなされるため注意しましょう。

事業所単位・個人単位の期間制限の関係

事業所単位の期間制限と個人単位の期間制限では、事業所単位の期間制限が優先されます。つまり、個人単位の派遣期間制限が残っていても、派遣先企業の派遣可能期間を超えて働くことはできないということです。派遣先企業の派遣可能期間が2023年7月31日までの場合、2021年8月1日から働き始めた派遣労働者は基本的に2年間しか働けません。

 

個人単位の期間制限より事業所単位の期間制限の方が早い場合は、意見聴取をしたうえで事業所の派遣可能期間を延長する必要があります。

抵触日の制限を受けない条件

 

抵触日となっても、その制限を受けないで働き続けられる人もいます。ここでは、抵触日の制限を受けない具体的な条件について解説します。

派遣元に無期雇用されている人

派遣元で無期雇用されている派遣労働者は、抵触日の制限を受けません。具体的には、派遣元と期間の定めのない雇用契約を締結している労働者を差します。また、無期雇用の労働者には、個人抵触日だけでなく、事業所抵触日も適用されません。

60歳以上の人

60歳以上の人も、抵触日の制限を受けません。定年に近い年齢となっている、あるいは定年となっている人は、一般の人よりも再就職が難しい状況に置かれています。スムーズな再就職を実現するため、60歳以上の人には制限が設けられていません。

産前産後・育児、介護休業を取得する人の代替業務をする人

産前産後休業、育児休業、介護休業を取得する労働者の代替業務をする人も、抵触日の制限を受けない条件に含まれます。派遣先企業の社員が出産によって産休や育休を取る場合には、代理でその業務を担う派遣労働者を雇うケースもあるでしょう。この場合には、抵触日の制限を受けないとされています。休業対象者が職場復帰した時点で、代替要員としての業務は終了します。

期間が定まっているプロジェクトで働く人

有期プロジェクト業務で働く人も、抵触日の制限を受けず、プロジェクトが完了するまで契約を継続できます。有期プロジェクトとは、最初から終わるタイミングが決まっているプロジェクトのことです。

日数限定業務に従事している人

日数限定業務とは、派遣先の通常の労働者の月の所定労働日数の半数以下、かつ、10日以下の日数で発生する業務を指す言葉です。日数限定業務に従事している人も、抵触日の制限を受けません。

抵触日を迎えた際の対応方法

抵触日を迎えた際の対応方法としては、下記が挙げられます。

・派遣先企業への直接雇用:本人の希望を確認し、直接雇用で働いてもらう。そのまま働いてもらえるため、教育や会社方針を理解させる手間がない

・同じ派遣先の別の課(あるいはグループ)で働く:抵触日となっても、同じ派遣先の別の課で勤務することはできる。抵触日を迎える前に別の課に異動した場合には、その課で再び3年間働ける

・別の派遣先企業で働く:培ったスキルや経験を活かしたい場合には、別の派遣先でキャリアを伸ばすとよい

・派遣元企業で無期雇用する:派遣労働者の契約を無労働契約に変更すれば、同じ派遣先企業で引き続き働けられる

事業所単位・個人単位抵触日にはクーリング期間がある

事業所単位、また個人単位抵触日には、派遣可能期間までの通算期間がリセットされるクーリング期間が設けられています。クーリング期間は、ともに3か月超(3か月と1日以上)です。クーリング期間が過ぎれば、以前まで雇っていた派遣労働者を再び受け入れられるようになります。

クーリングはあまり推奨されていない

クーリングによって同じ派遣労働者を受け入れることは、労働者派遣法の趣旨に反するため推奨されていません。また、派遣労働者のキャリアアップのためにも望ましくないでしょう。続けて働いてもらいたい際には、正社員としての雇用を検討することをおすすめします。

抵触日に関する注意点

抵触日に関してはいくつかの注意点があります。ここでは、その内容について解説します。

確実に事業所抵触日を通知する

抵触日に関して特に重要なのは、相手方に対して抵触日を正確に伝えることです。この通知は、派遣労働者が許容される勤務期間を超えないようにするために重要なものです。派遣可能期間の規定を正しく遵守するためにも、忘れずに通知を行いましょう。なお、事業所抵触日の通知においては、特定の形式はありません。

延長したい場合の対応方法を押さえておく

延長したい場合の対応方法を押さえておくことも重要な事柄です。事業所抵触日は、当該事業所の過半数労働組合に対して意見聴取の手続きをすれば延長できます。手続きができるのは、その事業所において役務の提供が開始された日から、抵触日の1か月前までです。過半数労働組合がない場合は、過半数代表者(労働者の過半数を代表する者)が対象となります。

同じ派遣社員を受け入れたい場合の対応方法を押さえておく

抵触日以降も同じ派遣労働者に働いてもらいたい場合には、直接雇用の申込みが必要です。直接雇用が受け入れられた場合、派遣としてではなく、自社の社員として雇用することになります。正社員だけでなく、契約社員やパート社員も雇用形態に含まれる点も押さえておきましょう。

まとめ

派遣労働者を雇用する際には、抵触日がいつになるかを確実に把握しておきましょう。もし抵触日が近づきつつある派遣労働者に引き続き働いてほしい場合には、直接雇用など何らかの措置が必要です。派遣労働者の教育に力を入れたい場合は、ぜひ派遣のミカタの利用をご検討ください。

 

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この記事の著者

takenoi

「派遣のミカタ」事業内で営業事務やライティング作業を担当しております。

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