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派遣教育訓練のeラーニング研修【派遣のミカタ】派遣法 2022年01月13日

労働者派遣事業報告書に必要な3つの書類作成のポイント徹底解説!(社労士監修)

労働者派遣事業報告書に必要な3つの書類作成のポイント徹底解説!(社労士監修)

\労働者派遣事業報告書作成の仕方を社労士が解説/

 

 

今回は派遣企業に労働局への提出が義務付けられている3つの報告書の作成ポイントについて解説していきます。

事業報告書の3つの書類

派遣の許可免許を取得している会社は毎年、3種類の事業報告等の提出義務があります。これらは派遣実績がない場合でも提出が必要となります。

提出義務のある書類は以下の3種類です。

 

  • 労働者派遣事業報告書『年度報告、6月1日現在の状況報告』(提出期限:6月1日~6月30日)
    労働者派遣事業収支決算書(提出期限:事業年度経過後3ヶ月以内)
    関係派遣先派遣割合報告書(提出期限:事業年度経過後3ヶ月以内)

書類のテンプレートは厚生労働省のホームページ上からダウンロードできます。
尚、2024年度から労働者派遣事業報告書の様式が変更されています。旧様式では提出しても受理されないため、注意が必要です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/hakenyouryou_00003.html

労働者派遣で事業報告書作成を行う際の主なポイント

事業報告書をまとめる際のチェックポイントです。

まずは派遣事業が適切に行われているかをチェックしておきましょう。

適切な事業運営を行っているかのチェックポイント

  • 許可を適切に受けているか
  • 禁止業務への派遣は行っていないか

こちらの記事も参照ください:二重派遣は違法?実務について詳しく説明

 

  • 日雇派遣の原則禁止に該当する派遣は行っていないか
  • 離職後1年以内の労働者の派遣は行っていないか
  • グループ企業への派遣割合は8割を超えていないか
  • マージン率などの情報提供をホームページ等で行っているか
  • 期間制限に違反していないか
  • 雇用安定措置を実施しているか
  • キャリアアップに資する教育訓練を実施しているか
  • 毎年の労働者派遣事業報告書・関係派遣先割合報告書を提出しているか

契約に関してのチェックポイント

 

  • 事業所単位・個人単位の期間制限を超えての派遣は行っていないか
  • 派遣契約の必須事項はすべて網羅しているか
  • 雇い入れ前に待遇に関する事項などの説明を行っているか
  • 派遣先との均衡待遇の確保に配慮しているか
  • 労働条件、就業条件、派遣料金の明示を行っているか
  • 社会・労働保険の加入手続を適切に行っているか

(情報出典:厚生労働省)

※ここでいう労働者派遣とは、自己の雇用する労働者を、雇用関係の下に他人のために指揮命令を受けて労働に従事させることです。

 

派遣労働は、労働基準法などの労働基準関係法令などについて、一部は派遣先が責務を負いますが、基本的には派遣労働者の雇用主である派遣元事業主が責務を負うことになります。

 

但し、請負の場合は、請負会社が作業の完成についてすべての責務を負います。請負会社が請け負った作業について、発注者が請負労働者に対して指揮命令をすることはできません。

労働者派遣事業報告書の書き方

労働者派遣事業報告書は、派遣事業の運営状況や派遣労働者の契約の状況、教育訓練の実施状況などについて労働局に報告する書類です。

労働者派遣事業報告書の作成ポイントについて解説します。

労働者派遣事業報告書の作成に必要な資料

労働者派遣事業報告書を作成するためには、次の資料の準備が必要です。


・労働者派遣事業個別契約書

・雇い入れ時又は配置転換時の安全衛生教育実施記録

・派遣元管理台帳

・その他の教育訓練実施記録

・派遣料金請求書

・雇用保険・社会保険通知書等

労働者派遣事業報告書への記載

労働者派遣事業報告書は第1面から第14面までに渡りますが、記入が必要になるのは第9面までです。

 

それでは、第1面から第9面までの記載のポイントをご説明します。

 

第1面

許可番号や事業所の枝番号、企業名、代表者名、事業所の名称、主たる業種の産業分類などを記入します。

産業分類には、日本標準産業分類の名称とその細分類番号を記載しますが、分からない場合は、政府統計の総合窓口(e-stat)からキーワードで検索ができます。

e-stat「統計分類・用語の検索」

https://www.e-stat.go.jp/classifications/terms/10

 

第2面

派遣労働者の雇用実績、労働者派遣事業の事業所ごとの売上高、請負事業の売上高、報告対象期間内に締結した個別の契約件数、安全衛生関連の教育訓練の実施実績などを記載します。

 

第3面・第4面・第5面

第3面と第4面には、日雇派遣労働者を除く派遣労働者、第5面には日雇派遣労働者の業務別の派遣料金・派遣労働者の賃金について、1日(8時間あたり)の額を記載します。派遣労働者の賃金については、給与や交通費、賞与など、支払ったすべての賃金を対象とする点に注意が必要です。

 

第6面

第6面は、キャリアアップに資する教育訓練の実績について詳しく記入するページです。

キャリアアップに資する教育訓練については、フルタイム(1年以上雇用見込み)、短時間勤務(1年以上雇用見込み)、1年未満雇用見込みの3つに分けて記載する必要があります。そのため、第6面は派遣労働者の勤務時間と雇用見込み期間ごとに分けて作成しなければなりません。フルタイム以外の書面については、キャリアコンサルティングの担当者人数や実施状況の箇所の記載は不要です。

 

第7面・第8面

第7面と第8面には、事業報告書を提出する年の6月1日に派遣就業していた日雇派遣労働者を除く派遣労働者の実人数を記載します。記載日に有給休暇などにより、派遣就業をしていない人は含みません。

6月1日が土曜や日曜に当たる場合は、翌月曜に就業していた派遣労働者の実人数を記載します。

 

第9面

第7面・第8面と同様に、事業報告書を提出する年の6月1日現在での日雇派遣労働者の実人数を記載します。

そのほか、過去1年以内に労働者派遣をされたことがある6月1日現在の登録者の数、雇用保険と社会保険の適用状況について、記載します。

第9面でも、6月1日が土曜や日曜に当たる場合は、翌月曜現在の実人数を記載することになります。

提出期限と提出方法

労働者派遣事業報告書の提出期限は、毎年6月30日までです。

窓口への持参、郵送、電子申請(e-Gov)のいずれかによって、労働者派遣事業報告書を3部、同一労働同一賃金対応の協定を結んでいる場合は労使協定書(写し)2部を添えて提出をします。

労働者派遣事業収支決算書の書き方

労働者派遣事業収支決算書は、派遣企業の資産や売上の状況について労働局に報告する書類です。

労働者派遣事業収支決算書の作成方法についてご説明します。

決算対象期間は事業年度

労働者派遣事業収支決算書は、決算対象期間中における資産や収支の状況について報告する書類です。法人の場合は、事業年度として決定した期間、個人事業主の場合は1月1日から12月31日までの1年間が決算対象期間となります。

労働者派遣事業収支決算書は事業所ごとの作成が必要

労働者派遣事業収支決算書の「収支の状況」については、事業主全体ではなく、事業所ごとの収支を記載しなければならない点に注意が必要です。事業所の売上高、営業利益、経常利益、当期純利益を労働者派遣事業、請負事業などに分けて記載し、総事業の合計額を記載します。

尚、賃借対照表と損益計算書を添付する場合には、「資産等の状況」と「収支の状況」については省略が可能です。

実績がない場合も作成及び提出が必要

派遣実績がない場合であっても、派遣事業収支決算書を作成し、提出しなければなりません。実績がない場合には、備考欄に「実績なし」と記載します。

提出期限と提出方法

派遣事業収支決算書の提出期限は、事業年度経過後3ヶ月以内です。例えば4月30日が決算日の場合は7月31日が提出期限となります。提出期限日が土日祝日の場合は前倒しになります。

派遣事業収支決算書窓口への持参、郵送、電子申請(e-Gov)のいずれかによって、提出をします。提出時には、労働者派遣事業収支決算書が3部必要です。資産と収支の状況を省略した場合には、賃借対照表と損益計算書も3部、添付する必要があります。

関係派遣先派遣割合報告書の書き方

関係派遣先派遣割合報告書は、派遣企業と親会社・子会社等の関係にある企業など、関係派遣先への派遣割合について報告する書類です。

関係派遣先への派遣割合は8割以下に

労働者派遣法において、関係派遣先への派遣割合は8割以下に抑えなければなりません。関係派遣先派遣割合報告書は、関係派遣先への派遣割合が8割以下であることを報告する書類となります。

報告対象期間は事業年度・報告は事業主単位

関係派遣先派遣割合報告書の報告対象期間は、事業年度となります。また、労働者派遣事業報告書と労働者派遣事業収支決算書は、事業所単位で作成する必要がありましたが、関係派遣先派遣割合報告書は事業主単位で作成する書類です。

実績がない場合も作成・提出が必要

関係先派遣への派遣実績がない場合も0時間と記入し、報告書を提出しなければなりません。

また、連結決算をしていないグループ企業がある場合は、備考欄にグループ企業名を記載します。グループ企業一覧表を添付することで代用できます。

提出期限と提出方法

関係派遣先派遣割合報告書の提出期限は、事業年度経過後3ヶ月以内です。例えば3月31日が決算日の場合は6月30日が提出期限となります。提出期限日が土日祝日の場合は前倒しになります。

窓口への持参、郵送、電子申請(e-Gov)のいずれかの方法で提出をします。

提出に必要となるのは、関係派遣先派遣割合報告書3部です。連結決算をしていないグループ企業があり、備考欄に記載しなかった場合は、一覧表も添付します。

まとめ

事業報告書は3種類あります。

テンプレートは厚生労働省のホームページからダウンロードし、期日までにしっかりと提出しましょう。

また、報告書へのチェック項目に沿って適切な運営が行えているかを確認しておきましょう。

 書類提出が期日通りに行われない場合は、何らかの法的処置が加わることになります。

細心の注意をはらって事業報告書をまとめ、提出することが重要です。

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この記事の著者

派遣のミカタ事務局

派遣社員の教育や、派遣業界の様々なことについて日々取材し、記事を執筆しております。

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