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外国人労働者派遣 派遣業界情報 2023年10月27日

外国人派遣の就労可能業務・期間は?在留資格・ビザとの関係を解説!

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少子高齢化が進む日本では労働人口が減少し、労働力が不足しています。そのような状況で期待されているのが外国人で、派遣労働者としてのニーズも高まっているのです。しかし外国人を派遣労働者とする場合、どのようなことに気をつけなくてはならないのでしょうか?注意点や外国人を派遣する際の流れをご紹介します。

外国人就労の現状・ニーズ・問題点

日本は外国人の就労に対して厳しい制限を設けていました。しかし近年、規制を緩和し、外国人を多く受け入れるようになってきています。どのような背景によるものなのでしょう。ニーズと問題点を説明します。

外国人就労に対するニーズ

日本において少子高齢化はさまざまな施策をもってしてもなかなか歯止めをかけられず、労働力不足の問題も深刻化しています。とくに建設業や一部の製造業、飲食サービス業、介護業での労働力不足は顕著で、人手不足により事業が継続できなくなるケースも少なくありません。

 

こうした労働力不足問題の解消につながるとして期待されているのが、外国人の就労です。高いニーズがあり、特定技能制度の創設といった政策によっても外国人の就労が後押しされています。また、2017年9月からはそれまでは禁止されていた介護業でも、外国人の就労が可能になりました。

外国人就労の問題点

高いニーズがあり、大きく期待されている外国人の就労には、課題もたくさんあるのです。下のような問題点に留意し、解決に向けた努力が求められています。

 

  • 言語や文化の違いによるコミュニケーションの壁がある
  • 生活習慣の違いにより地域社会で受け入れられにくい場合がある
  • 人権問題が生じる恐れもある

外国人派遣とビザ・在留資格の関係

外国人を派遣労働者として雇い入れる際、ビザや在留資格に注意しなければなりません。

 

日本に滞在している外国人はビザを取得して入国し、在留資格の範囲内で生活することが求められます。ビザの種類によっては就労が禁止されているものもあり、そのビザで在留資格を得ている外国人は労働者として雇用できません。

 

また、

  •  港湾運送業
  • 建設業
  • 警備業
  • 医療関連業
  • 弁護士など「士」業

に対しての派遣は禁止されています。日本人であるか外国人であるかを問わず、ビザの有無にかかわらず、派遣は行えません。

就労が認められる在留資格(活動制限あり)

殴ったり叩いたり蹴ったりするような暴行や、相手に物品を投げつけ、相手を肉体的に傷つける行為などがこれに該当します。一方、故意ではない接触などは該当しません。

 

次の種類のビザは活動が認められている範囲内での就労が可能です。

ビザの種類 該当例
外交 外国政府の大使、公使等及びその家族
公用 外国政府等の公務に従事する者及びその家族
教授 大学教授等
芸術 作曲家、画家、作家等
宗教 外国の宗教団体から派遣される宣教師等
報道 外国の報道機関の記者、カメラマン等
高度専門職 ポイント制による高度人材
経営・管理 企業等の経営者、管理者等
法律・会計業務 弁護士、公認会計士等
医療 医師、歯科医師、看護師等
研究 政府関係機関や企業等の研究者等
教育 高等学校、中学校等の語学教師等
技術・人文知識・国際業務

 

機械工学等の技術者等、通訳、デザイナー、語学教師等
企業内転勤 外国の事務所からの転勤者
介護 介護福祉士
興行 俳優、歌手、プロスポーツ選手等
技能 外国料理の調理師、スポーツ指導者等
技能実習 技能実習生

引用元:在留資格一覧表|法務省

https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Events/bdb/49facb9d51d120db/session_second_1.pdf

身分・地位に基づく在留資格(活動制限なし)

次の種類のビザは身分や地位にもとづいて認められているため、活動制限を受けずに就労が可能です。

ビザの種類 該当例
永住者 永住許可を受けた者
日本人の配偶者等 日本人の配偶者・実子・特別養子
永住者の配偶者等 永住者・特別永住者の配偶者、我が国で出生し引き続き在留している実子
定住者 日系3世、外国人配偶者の連れ子等

引用元:在留資格一覧表|法務省

https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Events/bdb/49facb9d51d120db/session_second_1.pdf

就労の可否は指定される活動によるもの

ビザの種類 該当例
特定活動 外交官等の家事使用人、ワーキングホリデー等

引用元:在留資格一覧表|法務省

https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Events/bdb/49facb9d51d120db/session_second_1.pdf

就労が認められない在留資格

ビザの種類 該当例
文化活動 日本文化の研究者等
短期滞在 観光客、会議参加者等
留学 大学、専門学校、日本語学校等の学生
研修 研修生
家族滞在 就労資格等で在留する外国人の配偶者、子

引用元:在留資格一覧表|法務省

https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Events/bdb/49facb9d51d120db/session_second_1.pdf

外国人派遣で就労可能な業務と期間

外国人が就労できる業務は、在留資格で認められたものに限られます。就労可能な業務であるかどうかは派遣元ではなく、派遣先の業務で判断されるのです。就労可能でない業務に就業させると不法就労となり、外国人労働者や派遣元だけでなく派遣先も罪に問われる可能性もあります。

 

また外国人は自身の在留期間の範囲内でのみ、就労可能です。よって在留期間を超えて就労させても不法就労になります。派遣期間が在留期間を超えると新たな労働者を派遣し直さなければなりません。これらは派遣先に迷惑をかけるため、注意が必要です。

不法就労としないための対策

外国人の就労を不法なものとしないためにも、以下についてしっかりと確認しましょう。

  • 就労可能な在留資格を持っているかどうか
  • 活動が認められている内容と、派遣先業務は合っているかどうか
  • 在留期間は派遣期間を超えているかどうか

外国人を派遣する際の流れ

外国人労働者を派遣する際の流れは、以下のとおりです。

派遣条件提示

派遣先企業が派遣元の人材会社に対して、派遣社員の条件を提示します。ここでは派遣先企業が派遣社員にどの程度のスキルや能力、とくに日本語に関する習得度を求めているのか、しっかり確認することが必要です。

人選

派遣元の人材会社が派遣先企業から提示された条件に合う外国人を選びます。不法就労とならないよう「派遣先業務が外国人の就労可能な業務かどうか」「派遣期間を超える在留期間を有しているかどうか」きちんと確認しなければなりません。

派遣契約の締結

派遣先企業と派遣元の人材会社が派遣契約を締結します。派遣元の人材会社は「外国人だからといって不当に派遣料金が下げられていないか」への注意が必須です。

雇用関係の締結

派遣元の人材会社と派遣社員となる外国人が雇用契約を締結する段階です。派遣元の人材会社は派遣社員となる外国人に対して、十分に理解できる形で労働条件が明示できているかどうか、に配慮する必要があります。

 

また、社会保険(雇用保険を含む)について正しく処理されているか、確認を怠らないようにしましょう。

外国人派遣の注意点

外国人を派遣労働者とする際の注意点を説明します。

外国人雇用状況の届出が必要

外国人を雇用する事業者は、雇い入れ時と離職時に、「外国人雇用状況」をハローワークに届け出る義務があります

 

ただし外交・公用の在留資格を持つ外国人は対象外となっているため、届出の必要はありません。また特別永住者も不要です。雇用する外国人が雇用保険の被保険者となるか否かによって、届出の方法は異なります。

 

雇用保険の被保険者となる場合

氏名・在留資格・在留期間・生年月日・性別・国籍や地域・資格外活動許可の有無を雇用
雇用保険被保険者取得届(様式第2号)に記載して、翌月10日までに届出

 

雇用保険の被保険者とならない場合

氏名・在留資格・在留期間・生年月日・性別・国籍や地域・資格外活動許可の有無(雇い入れのときのみ)・雇い入れ年月日・雇い入れ事業所の名称と所在地を外国人雇用状況届出書様式第3号)に記載して、翌月末日までに届出

労働関係法令が適用される

外国人に対しても、労働基準法や労働安全衛生法といった労働関係法令は適用されます。法律の規定にもとづき、外国人も日本人と同等に取扱わなければなりません。とくに以下の事柄に注意が必要です。

 

国籍を理由とする差別的取扱いの禁止(労働基準法第3条)

国籍により賃金や労働時間といった労働条件について、差別的取扱いをしてはなりません。

 

労働条件の明示(労働基準法第15条等)

労働契約を締結するにあたっては労働条件を明示し、賃金や労働時間等については書面を交付しなくてはなりません。外国人に対しては理解できる言語で行うことが求められます。

 

最低賃金以上の賃金支払い(最低賃金法第4条等)

外国人に対しても最低賃金以上の賃金支払いが必要です。

 

定められた方法での賃金支払い(労働基準法第24条)

賃金は通貨で、労働者に直接全額を毎月1回以上、一定期日を定めて支払う必要があります。

 

強制貯金の禁止(労働基準法第18条)

強制的に賃金を貯金させることは禁止されています。

 

退職時の金品の返還義務(労働基準法第23条等)

労働者が退職する際は労働者の権利に属する金品を返還しなければなりません。また労働者の旅券や外国人登録証明書を保管しないようにする必要があります。

解雇に配慮が求められる

派遣労働者は「契約を打ち切られる」「予定されていた更新が行われない」など、派遣先の都合で仕事が継続できなくなるのも少なくありません。しかし外国人は日本の生活に不慣れであったり、雇用環境への対応が十分にできなかったりするため、職を失うと生活に多大な影響を受けてしまうもの。こういった外国人ならではの事情を考慮し、安易に解雇や雇い止めをしないような配慮が必要です。

まとめ

外国人を派遣する場合、ビザ・在留資格の確認が必要不可欠です。就労可能な業務ではない派遣先に派遣してしまったり、在留期間を超えて働かせたりするのはできません。これらを守らずに派遣を行うと、不法就労を手助けしたことになってしまいます。

 

それにより、不法就労助長罪として3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金が科せられる可能性も高いです。罪に問われてしまったら派遣先にも大きな迷惑をかけてしまうでしょう。十分に注意しなければなりません。

 

少子高齢化が進む日本では、外国人の活用により労働力不足の問題解決が期待されています。派遣労働者として外国人を活用する際は注意点をよく理解し、不法就労を防いで適切に派遣できるようにしましょう。

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この記事の著者

takenoi

「派遣のミカタ」事業内で営業事務やライティング作業を担当しております。

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