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派遣会社の研修期間はどのくらい必要?改正労働者派遣法における教育訓練の内容とは
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2015年9月と2021年1月に労働者派遣法が改正され、多くの企業では研修の見直しが必要となりました。改正労働者派遣法のなかでは、研修期間についても触れられている、法令に基づいた教育訓練の計画をた立てなければなりません。この記事では、派遣会社が実施すべき研修の期間や、改正労働者派遣法の内容などについて詳しく解説します。
目次
派遣会社が実施すべき研修期間は決まりがある
改正労働者派遣法では、従業員に対して少なくとも入職後3年間に渡り、毎年1回の頻度で教育訓練が受けられる機会を提供する義務があります。さらに、従業員のキャリアの節目などでは、そのキャリアに応じた定期的な研修の提供も必要です。実施する時間は、フルタイム(週40時間)の派遣労働者1人に対して、年間8時間以上です。時短労働者の場合は、その労働時間に応じた研修実施が義務となります。適切に研修を受けられるように、派遣会社は派遣先と協力し、就業時間などの調整が必要です。
※参考:労働者派遣事業を行うにあたっては、派遣労働者のキャリアアップのため、教育訓練計画を策定してください。|厚生労働省
派遣労働者の研修に関する改正労働者派遣法の内容
改正労働者派遣法では、派遣労働者に対する研修に関して、その対象者や実施内容について詳しく定められています。そのため、従来の研修ルールなどを見直し、法令に基づいた内容に改善が必要です。ここからは、対象となる従業員の条件や、実施すべき教育訓練の詳しい内容について解説します。
教育訓練の対象者
派遣会社での教育訓練は、1年以上の雇用が見込まれる派遣労働者が全員対象となります。たとえ雇用期間が明確でなくても、継続的な雇用が見込まれるなら対象です。仮に1年以内の契約を結んでいる派遣労働者であった場合、更新の可能性があるならば対象になります。
1年経たずに辞める予定があるような短期労働者以外は、ほとんど対象者として教育訓練の機会を提供しなければなりません。教育訓練を受けられない派遣労働者が出ないように、派遣先との協力やシフト調整が必要です。
実施する教育訓練の内容
改正労働者派遣法では、キャリアアップに資する教育訓練が必要と定められています。キャリアアップに資するとは、派遣労働者の給与などの処遇改善や正社員化、業務に関するスキル向上などに寄与する教育訓練のことです。実際に教育訓練を行う場合は、目標や目的の達成を目指して計画された内容に沿って進めます。教育訓練を計画する際には、労働者の階層別に訓練を設定したり、職能別で訓練を組み合わせたりして、段階的かつ体系的に実施できるように構成しましょう。
労働者派遣法が改正された理由
上記のように、労働者派遣法が改正されたのには、大きく2つの理由があります。ここからは、その2つの理由について詳しく解説します。
派遣労働者の待遇改善
派遣労働者は、もともと人員不足を補うための補充的な要素がある雇用体系です。しかし、正社員に比べて、仕事量や仕事内容は変わらないにも関わらず、処遇に格差がある点が問題視されていました。
昨今の法改正は、そんな正社員との格差の改善も目的であり、派遣労働者であっても正社員と同等の処遇が受けられる環境を整えるため、さまざまな措置が施行されました。そのなかで、教育面での格差是正の一環として、派遣労働者への教育訓練が義務化されています。
派遣労働者のキャリアアップ支援
以前の労働者派遣法は、正社員に比べると派遣労働者の教育制度は整っておらず、キャリアアップが困難な企業も多くありました。教育制度を利用したキャリアアップができないため、キャリアアップを望む派遣労働者は、自分で知識やスキルを習得しなければなりませんでした。
そのため、労働者派遣法の改正では、段階的で体系的なカリキュラムを実施するように義務付け、派遣労働者でもキャリア形成がしやすいようにルールが設けられています。キャリアアップ支援にも積極的に取り組めるようになれば、企業のスキルアップや生産性の向上、定着率アップが目指せます。
適正な教育訓練計画の実施による派遣会社のメリット
労働者派遣法の改正により、研修面の改善も早急に求められていますが、他にも派遣会社が抱える課題は多く、なかなか手がつけられない企業も多いでしょう。しかし、適切に教育訓練計画を練れば大きなメリットが期待できます。たとえば、教育訓練の実施で派遣労働者のスキル・キャリアがアップすれば、自社の生産性向上やモチベーション向上につながります。
また、教育訓練が充実していれば、企業価値も向上するでしょう。採用活動においても、教育訓練が充実していることはアピールポイントになります。これらのメリットを最大限に活かすには、自社の従業員や企業のためという意識をもって取り組むことが大事です。
派遣労働者の研修で取り入れられる主な方法
派遣労働者の教育訓練では、さまざまな研修が活用されています。以下では、その主な3つの方法について解説するので、ぜひ参考にしてください。
オンラインで利用できる:e-ラーニング
e-ラーニングとは、インターネット環境さえあれば、パソコンやモバイル端末から学習可能なオンラインの学習教材です。時間や場所に捉われずに受講できるため、取り入れやすい研修方法といえます。e-ラーニングは学べるジャンルは豊富にあり、スキルアップ研修として広く活用されている研修方法です。近年では派遣労働者だけでなく、正社員の研修としても活用されています。
複数人に実施できる:集合研修・セミナー
集合研修やセミナーは、複数人を会場に集めて一度に教育訓練を実施したい場合に有効な方法です。さまざまなテーマやジャンルごとに実施されています。座学によって知識や技術を学び、身につけるのに役立ちます。社内に専門知識を持つ人材がいない場合は、外部から講師を招いたり、外部の研修やセミナーに参加したりするとよいでしょう。
近年では、オンラインセミナーなど、オンライン上で実施されるケースも増えているので、大きな会場を抑えたり、全員の時間を調整したりする手間も軽減されています。
即戦力としてのスキル習得に役立つ:OJT
OJTとは、派遣先の職場で、実際の業務に携わりながら実施される教育訓練です。実戦形式で学べるため、即戦力となれる知識やスキルが身につきます。入職して間もなく、まだ業務になれていない時期などに実施されるケースが多く、派遣先の雰囲気や派遣先の従業員と慣れる機会にもなります。
派遣労働者の研修実施で気をつけるべきポイント
派遣労働者の教育訓練を見直す場合に、気をつけたいポイントが3つあります。それぞれのポイントについて以下で詳しく解説するので、よりよい教育訓練計画の立案に役立ててください。
教育訓練の実施計画の策定
教育訓練の計画を立てる際には、「キャリア形成支援制度に関する計画書」での策定が必要です。法改正後から、労働者派遣事業としての許可を得るための基準として、キャリア形成支援制度における、キャリアアップに資する教育訓練の計画が求められます。
許可申請の際に提出を求められる「キャリア形成支援制度に関する計画書」は、都道府県への教育訓練に関する説明にも用いられるので、わかりやすく丁寧に作成しておきましょう。
教育訓練は無償かつ有給
派遣労働者に実施する教育訓練は無償であり、かつ有給です。教育訓練で発生する費用は、派遣労働者に請求できません。また、すでに支払っている交通費よりも研修会場までの交通費の方が高い場合は、差額の支払いが必要です。e-ラーニングなどを用いるためにはネット環境が必要ですが、受講するために従業員が新たに回線契約をする場合は、派遣会社が提供しなければなりません。
派遣先管理台帳への作成・管理
教育訓練の実施状況は、派遣先管理台帳へ記録します。派遣先管理台帳は、派遣先で作成・管理を行うルールのため、慣れていない企業にはサポートが必要です。派遣先管理台帳の適切な管理ができていない場合、30万円以下の罰金が科せられるケースもあるので注意しましょう。
教育訓練の内容を事前周知
教育訓練の実施にあたって、内容について派遣労働者から同意を得ておきましょう。法改正によって、派遣労働者の入職時には教育訓練の内容について説明が必要です。そのため、あらかじめ教育訓練の計画を策定し、しっかり説明できるように準備しましょう。
まとめ
派遣労働者を雇い入れる場合、派遣先で活躍してもらうためにも、教育訓練の充実は重要事項です。労働者派遣法でも定められている通り、派遣労働者が高いスキルや技術を身につけられるように、法に基づいて計画を立てておきましょう。
また、教育訓練内で実施する研修では、さまざまなキャリア・スキルアップ可能な教材が必要です。「派遣のミカタ」では、1600社以上の導入実績があり、5,300以上のレッスン教材を取りそろえております。製造業・物流業から事務職・技術職まで網羅したキャリア・スキルアップ教材もあるため、さまざまなニーズに対応可能です。受講状況に応じて受講促進メールの自動送信も可能なため、時間や手間をかけずに管理できます。
これから教育訓練の見直しを図る際は、ぜひ派遣のミカタをご検討ください。
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