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派遣法 2022年01月13日
派遣業界で押さえるべき『同一労働同一賃金』
ガイドラインとは?働き方改革の影響を解説
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2020年4月から大企業に向けて、翌年2021年4月からは中小企業に向けて「同一労働同一賃金」が導入されます。 同一労働同一賃は、非正規労働者に対しての企業の待遇を改善する目的で導入されます。 派遣企業の場合、企業規模の大小にかかわらず2020年4月には対応しておく必要があります。 今回は同一労働同一賃金と派遣業界への影響について解説していきます。
同一労働同一賃金とは
厚生省のガイドラインによると同一労働同一賃金とは、
同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者) と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものです。
引用:厚生労働省 同一労働同一賃金特集ページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144972.html)
簡単に言い換えるならば―― 「正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間にある、不合理な待遇差を無くしましょう」…という事です。 現在は、同じ企業で同じような仕事をしていても、雇用形態によって給与や福利厚生などの待遇に大きな差があります。
こうした状況を踏まえたうえで、今回2020年4月の法改正によって労働者派遣事業者には新たな義務が付けくわえられることが決定しました。 具体的には、以下2点の方式に乗っ取り、待遇改善が行われていくことが適切とされています。
- 派遣先均等・均衡方式:派遣先の通常の労働者との均等・均衡待遇
- 労使協定方式:一定の要件を満たす労使協定による待遇
派遣社員にとってのメリットは?
これまで正社員と同等の仕事をこなしていた非正規社員(派遣社員、フルタイムアルバイト等)の方々は、正社員と同一の賃金をもらえることになります。 派遣社員がこの同一労働同一賃金に則った待遇を受ける場合、正社員の給与がベースになり、今よりも経済状況は安定すると言えるでしょう。 これにより、より高持久の派遣先企業を探すことで収入アップが狙えるようになります。
同一労働同一賃金の問題点
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一方で、新たなルールであることによって、同一労働同一賃金の導入により今までのやり方と合わずに多くの問題を発生させる事が危惧されています。 派遣先の正社員に対しての給与水準が低ければ、派遣社員もその打撃を受けることになりますし、ただ給料が良いところでスキルアップを気にせず、長く勤めてしまった結果、キャリアアップ措置として実施される派遣社員のスキルアップが全く役に立たなくなったり、向上性がなくなってしまうデメリットも有しています。
逆に、派遣社員の給与を減らすために、正社員側の給料が調整されてしまうという可能性も考えられています。同時に、正社員であるもののスキルアップを怠っていた社員は大打撃を与えられる事にもなります。 就業態度が悪い社員の給料が下がるのはある種必然と言えますが、もし調整のために優秀な正社員までもが巻き添えを食らってしまう場合には、今後大きな問題になっていくことが予想されており、同一労働同一賃金の運用は慎重な判断が必要になってくると言われています。
同一労働同一賃金に則った場合、優秀な人材に対して高い給与を払えず逃してしまうというケースも発生すると予想され、すべてが上手い方向に働くことはないというのがいまだ問題となっています。 同一労働同一賃金はあくまでも非正規労働者の待遇改善が目的となるので、改善のために下に合わせて待遇を下げるという手段はあってはならないとされています。
しかしながら、待遇格差対策として待遇の削減を取る場合も出てくるという予想から、問題点も指摘されているのが現状です。
同一労働同一賃金の問題点
同一労働同一賃金は、今まで正社員と同じ仕事をこなしていた派遣社員にとっては給料アップが見込まれるでしょう。 しかし、それはあくまで正社員と全く同じ仕事をしていた場合であり、仕事内容が違うのであれば適用は難しくなってきます。
正社員だから問題ない、長年勤めているから問題ない、職務怠慢をしている…というような正社員は派遣社員ととってかわられる時代が来るかもしれません。 やる気のある方が生かされる大きなチャンスとなる今回の法改正ですが、同一の線引き、解釈が曖昧である等、まだまだ課題は多く残されています。 同一労働同一賃金の導入に備えて、厚生省の発表を随時チェックし、自社での対策を考えておきましょう。
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