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派遣元責任者 派遣業界情報 2024年03月21日

派遣と業務委託の違い|両者のメリット・デメリットや注意点も解説

派遣と業務委託の違い|両者のメリット・デメリットや注意点も解説

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事業の拡大や人材確保に際して、派遣や業務委託の活用を考えている人も多いでしょう。この記事では、派遣や業務委託の利用を考えている人に向けて、双方の違いやメリット・デメリットについて解説します。派遣と業務委託それぞれに適した会社についても解説するため、ぜひ参考にしてください。

派遣とは

派遣とは、実際に働く企業とではなく、派遣事業者と雇用契約を結ぶ働き方を指す言葉です。給与の支払いや福利厚生の提供は、実際に働く企業ではなく派遣事業者が行います。派遣の契約方式は、登録型と常用型の2種類があります。それぞれの違いは、下記のとおりです。

・登録型:派遣会社に登録し、条件にあう仕事があれば派遣会社と契約を結ぶ方式

・常用型:派遣会社の正社員となる方式。派遣先がない場合であっても雇用契約が成立する

派遣の働き方は2種類

派遣は大きく2種類に分けられます。ここでは、それぞれの特徴について解説します。

一般派遣

派遣の種類の1つは一般派遣です。一般派遣とは、派遣事業者が従業員として登録した人材を、実際に働く企業に送る契約を指しています。一般派遣には契約期間が定められており、契約期間が過ぎると労働契約が終了します。

紹介予定派遣

派遣の種類の1つは、紹介予定派遣です。紹介予定派遣は、派遣先の会社に直接雇用されることを前提とした方式です。最長半年の派遣契約後に、実際に働いている従業員と派遣先の会社で合意があれば、派遣から雇用への切り替えがなされます。派遣契約後に従業員を雇用しない場合は、雇用しない理由を明示しなければなりません。

2015年の法改正によって特定派遣は廃止された

2015年以前は一般派遣と紹介予定派遣に加えて、特定派遣がありました。しかし、法改正によって2015年9月30日に特定派遣は廃止されています。特定派遣とは、派遣事業者と常時雇用契約を結んだ従業員を派遣する方法です。許可制ではないため、派遣事業者は厚生労働省への届け出のみで派遣が可能でした。

現在、特定派遣を取り扱っていた派遣事業者は、一般派遣の許認可を取得したり、準委任契約に切り替えたりしています。

 

特定派遣の廃止!労働者派遣事業の許可制への一本化

業務委託とは

業務委託とは、業務の一部を外部の組織や人材に任せる方法を指しています。業務委託を利用する委託者と、企業や個人事業主など依頼を受ける受託者のあいだに、主従関係がない点が特徴です。

業務委託の方式は3種類

ここでは、業務委託の方式を3種類解説します。

請負契約

業務委託の方式の1つは請負契約です。請負契約とは、依頼した業務の完成に対して報酬を支払う形式です。また、実務上においては、アウトソーシングの意味で使う場合があります。受託者が仕事を完成させられなかった場合は、報酬の支払いはありません。また、請負契約は、受託者に契約不適合責任が発生します。

委任契約

業務委託の方式の1つに委任契約があります。委任契約は、法律行為に関する一定の事務処理や業務の遂行に対して報酬を支払う形式を指しています。委任契約は請負契約とは異なり、仕事の完成がなくても報酬の支払いが発生します。また、受託者に契約不適合責任はありません。ただし、客観的に要求される程度の注意をしなければならない善管注意義務は発生します。

準委任契約

委任契約と類似する方式として、準委任契約があります。準委任契約は、法律行為に関わらない業務を委託するときに締結されます。報酬については、たとえば事務の委託であれば、作業時間や処理件数などが報酬の対象となります。

派遣と業務委託の違い

ここでは、派遣と業務委託の違いについて解説します。

指揮命令系統

派遣と業務委託の違いは、指揮命令系統がどこにあるかです。派遣契約は、派遣事業者と取引先の企業の両者に指揮命令権があります。業務委託の場合は、委託者に指揮命令権がありません。そのため、業務委託先の労働者に直接指示が出せない点が特徴です。

報酬が発生する対象

派遣と業務委託は報酬が発生する対象が異なります。派遣の場合は、派遣された従業員が従事した時間に対して報酬が発生し、業務委託の場合は、業務の実施や成果物の納品に対して報酬が発生します。

 

派遣と請負って何が違う?

派遣や業務委託を活用するメリット

ここでは、派遣や業務委託を活用するメリットについて解説します。

派遣を活用するメリット

派遣を活用するメリットは、派遣労働者への指揮命令を自社で行える点です。そのため、業務内容が急に変更になった場合であっても、現場で柔軟に対応ができます。また、必要に応じて人材を柔軟に確保できる点もメリットです。人件費を削減しつつ、専門スキルを持った人材を確保できるため、より効率的に業務を進められます。

業務委託を活用するメリット

業務委託を活用するメリットは、労働者に対して細かく指示を出す必要がない点です。業務委託先が労働者に対して指示を出してくれるため、教育やフォローに回すリソースを確保する必要がありません。また、ノンコア業務を依頼すれば、自社の従業員をコア業務に専念させることもできます。

派遣や業務委託を利用するデメリット

ここでは、派遣や業務委託を活用するデメリットについて解説します。

派遣を活用するデメリット

派遣を活用する際のデメリットは、派遣労働者を受け入れられる期間に3年の制限がある点です。具体的には、下記2つの制限がかかります。

 

・事業所単位の制限:同一の事業所で3年を超えて派遣労働者を受け入れられない

・個人単位の制限:同じ派遣労働者を同一事業所の同一組織単位に派遣できるのは3年まで

 

事業所単位の制限は3年間ですが、必要な手続きを踏めば延長可能です。ただし、その場合であっても、同じ派遣労働者は同じ組織(部署・課・グループなど)で3年以上は働けません。そのため、パフォーマンスが高い労働者であっても、ずっと働いてくれるわけではない点に注意しましょう。

業務委託を活用するデメリット

業務委託のデメリットは、コストが高くなりがちである点です。専門性の高い業務を依頼する場合には、派遣に比べてかかる費用が増えるでしょう。また、業務委託に依存をしてしまうと、自社に実務のスキルやノウハウが溜まりにくくなる点もデメリットとして挙げられます。

派遣と業務委託それぞれに向いている業務

ここでは、派遣と業務委託に向いている業務について解説します。

派遣に向いている業務

派遣に向いている業務は、下記のとおりです。

 

・人手が足りていない業務

・イレギュラーが発生しやすく現場の判断が重要な業務

 

また、業法によって許認可が必要な業務も派遣に向いています。ただし、なかには派遣が禁止されている業務もあるためあらかじめ十分に確認しておきましょう。

一般事務の派遣社員って何をするの?

業務委託に向いている業務

業務委託に向いている業務は、下記のとおりです。

 

・ノンコア業務

・ノウハウや経験が必要な専門性の高い業務

・繁閑差が激しい業務

・新規事業の立ち上げに関わる業務

・必要な設備の準備が難しい業務

など

 

依頼できる範囲は多岐に渡るため、どの業務を委託するのかの方針を明確にしておきましょう。

派遣や業務委託を活用する際の注意点

ここでは、派遣や業務委託の注意点について解説します。

派遣事業者の従業員を別の会社に送ると罰則がある

派遣を活用する際には、二重派遣を行わないように注意しましょう。企業が派遣事業者の従業員をさらに別の企業に派遣すると二重派遣となり、場合によっては禁固刑や罰金が科せられます。

 

また、意図的ではなくとも、自社以外の企業が派遣事業者の従業員に指示を出すと二重派遣とみなされます。実際の勤務状況をこまめに確認し、二重派遣にならないよう配慮しましょう。

業務委託の場合には直接指示を出さない

業務委託を活用する際には、業務委託先の労働者に対して直接指示を出さないようにしましょう。業務委託契約を結んだ場合には、自社の業務であっても労働者に対して直接指示を出すことはできません。指揮命令ができるのは委託先のみです。

 

労働者に対して直接業務上の指示を出すと、偽装請負とみなされてしまい、禁固刑や罰金が科される恐れがあります。現場で働く労働者に対して指示を出したい場合には、派遣を活用しましょう。

まとめ

派遣や業務委託の活用を検討する際には、双方の違いをあらかじめ明確にしておきましょう。そのうえで自社に必要な取り組みを明確化することで、どちらを活用すべきかがはっきりします。派遣を選択する際、派遣労働者の教育に力を入れたいなら「派遣のミカタ」をご活用ください。

 

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この記事の著者

takenoi

「派遣のミカタ」事業内で営業事務やライティング作業を担当しております。

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